「低温圧搾法」は採油効率が悪く、搾りカスに油分が残りますが、そのぶんタネ本来の栄養価が高く、風味のある油をとることができます。
油は、「熱」とともに「光と空気」も大敵です。
どんな油でも、「熱・光・空気」によって酸化・劣化します。
油は生鮮食品。とくに必須脂肪酸のオメガ3&オメガ6はデリケートで、「劣化の激しい脂肪酸」です。
だからこそ、時間をかけ、効率が悪くても、必須脂肪酸を守る方法で搾っているのです。
「低温圧搾法」で搾った残りカスにも多くの油が残ります。このカスに溶剤を入れて搾りますと残った油の大半は搾られます。この溶剤添加の油も「狂った油」の製造工程をへますので危ない油となります。
スーパーなどで売られている安い油はこのような経路をたどった物が多い様に思いますので細心の注意が必要と考えています。
意識しないと摂れない「オメガ3」オイル
オメガ3の摂取量は「目標量」、オメガ6は「目安量」ですので覚えておきましょう。
オメガ3目標量 男性2.6g以上、女性2.2g以上 オメガ6目安量 男性11g、女性9.5g
ここで大切なことは、オメガ3は「目標量」となっていることです。
比率はオメガ3とオメガ6が1:4といったところ。
まず、ここを目標にしなければいけないほど、私たちは「オメガ3不足」なのですね。
オメガ3(アルファ・リノレン酸)のおもな働き
●代謝の向上やエネルギーのアップ
●善玉コレステロール(HDL)値を高める
●血圧を適正にととのえる
●抗炎症作用がある
●体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)や
EPA(エイコサペンタエン酸)をつくり、
脳の働きをよくする など
オメガ3は「意識しないととることができない」栄養です。理由は2つ。
1つは亜麻仁油やしそ油、えごま油など、含まれる食品が少ないこと。
2つめは、非常にデリケートで酸化・劣化しやすいため、流通や保管が難しいこと。
オメガ6は「毎日の食事でとりやすい」食用油です。
コーン油やごま油、紅花油などおなじみの油に多く含まれ、パンやマヨネーズなどの食品にも含まれているからです。一時期、「リノール酸(オメガ6)は悪玉コレステロール(LDL)を下げる」と宣伝されたこともあり、積極的にとる人が増えました。そのため、油を使った料理を食べると「とりすぎ」になってしまいがちです。
肝心なのは「質とバランス」。オメガ3もオメガ6も、酸化・劣化していない新鮮な油から、栄養が壊れていない良質なものをとること、両方をきちんととることが大事です。
毎日摂る食用油の質は製造工程で大きく変わってしまうようです。一番搾りの「命を癒すオイル」を選びましょう。
脂肪酸はまず、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。
飽和脂肪酸は、おもに動物性脂肪で固まりやすい油。人間の体温程度の温度ではサラサラとは流れず、食べすぎると「血液ドロドロ」の原因になります。また、体内で糖質と脂質からいつもつくられています。
不飽和脂肪酸は固まりにくい油。ほとんどが植物性脂肪です。一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
一価不飽和脂肪酸がオメガ9(オレイン酸)。オメガ9は体内でつくることができる脂肪酸です。(オリーブオイルやベニバナオイルなど)
多価不飽和脂肪酸のオメガ3(アルファ・リノレン酸)とオメガ6(リノール酸)が必須脂肪酸。体内でつくることができず、食事からとらなければいけない栄養素です。
一番の理由は、油は熱により劣化するからです。
酸化が進むのはもちろん、高温で加熱すると、大事な栄養素の脂肪酸が「トランス脂肪酸」に変わってしまいます。
「トランス脂肪酸」とは、不自然な油の分子構造のこと。
つまり、自然界に存在しない油に、分子レベルで組み換えられてしまうのです。